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人気のある馬は強い馬ばかりではありません。

時にはどうしようもなく弱い馬が、GⅠ馬以上の人気を博すこともあるのです。

有名なのは高知競馬のハルウララ。
覚えている方も多いでしょう。
負けるほどに人気が高まっていくという不思議な馬でした。
この馬の連敗記録は113。
普段は全くと言っていいほどメディアに注目されない地方競馬ですが、ハルウララブームの際には大手メディアも高知競馬まで足を運び、ハルウララを取材していたものでした。
低迷にあえいでいた高知競馬も、ハルウララのおかげでこのときばかりは活況でした。
全国から多くの競馬ファンが訪れ、グッズなどもよく売れました。
ハルウララの馬券は「当たらない」ことから、交通安全のお守り代わりに買っていた人も多くいたようです。

このときから「負け馬ブーム」が始まります。
しばらくしてこのハルウララを超える馬が2頭も現れたのです。

その一頭が園田競馬のエリザベスクィーンです。
この馬はなんと、デビューから165連敗を喫しました。
ハルウララと違ったのは、引退するまでに勝ち星を挙げたこと。
エリザベスクィーンは166戦目にしてようやく勝つことができました。

その後、その連敗記録を上回る馬が現れました。
同じく園田競馬の、カンムリホルダーです。
通算成績は0勝179敗。
2着が6回あり、もう少しで勝ち星に手が届く馬だったのですが、結局1勝もできずに引退してしまいました。

こんなに負けていると、たいした馬ではないと思うかもしれません。
しかし競馬で勝つことはとても大変なことです。
私たちは強い馬ばかりに注目しがちですが、実は一勝もできずに引退する馬がほとんどなのです。
100戦以上連敗してきた馬は確かに実力では大したことがなかったかもしれませんが、競走馬は500キロ前後の馬体を細い脚で支えているため怪我の多い生き物でもあります。
レースに出走し続けたタフさは偉大であるといえます。

こうした負け馬ブームにはさまざまな見方があります。
応援してみようという人や、逆に「もう引退させてあげて」という人がいます。
いずれにせよ馬を思ってのことです。
普通なら光の当たらない連敗続きの馬に希望を与えるという意味では、よかったことかもしれません。

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